著者:金子晴子
出版社:生活綴方出版部
司書は「窓口に座って好きな本を読んでいられる」仕事ではない。
利用者の探しものをサポートする「レファレンス」。新しい本の居場所を決める「分類」。社会的な問題や季節の行事に合わせた「企画展示」。
そのほかにも利用者が本を探し当て、また出会うための機会をつくるために、いろいろな仕掛けをする。
それが司書の仕事である。
ただ、本が好き、図書館が好き、だから図書館で働くのも好き、そんな思いだけでやっていける仕事ではない。
図書館司書はその多くが非正規雇用で、労働環境や待遇は想像以上にきびしい。
「一番辛かったのは、本を扱う仕事なのに、読みたい本を普通に買えるだけの生活の余裕がこの仕事では得られないことだった」
はじめは心躍らせて通勤していた著者も、いつしか憂鬱な日々をおくる。
結局、8年半勤め続けた仕事を離れることになる。
転職して一年以上が経ったいまでも、そこが自らの職場ではないことに胸を詰まらせ、働き続けたかった思いを、いまだ消化できない著者の、叫びにも似た随想録。
(商品紹介ページより引用)